TOP > 医療法人社団神幸会 訪問看護ステーション凛 > スタッフ投稿 > 2017 12月

12月, 2017年

ある訪問リハビリの利用者さんのお話

2017-12-29

こんにちは、理学療法士(リハビリ)の南山です。
今回は、悪性リンパ腫から急激な認知機能低下やせん妄を発症した利用者さんのご自宅での生活を支援するために、訪問リハビリを行なったエピソードをご紹介します。

がんの治療が困難となったために病院を退院し、自宅で療養される利用者さんを訪問看護ステーションで支援することはしばしばあります。

訪問リハビリは、筋力などの心身機能を維持して歩行や起き上がり動作などのADL能力を維持する、本人のQOL(生活の質)の向上や疼痛部位の緩和、ご家族の介護負担の軽減、ご本人がご家族と過ごす時間を増やす、といった目的で行ないます。私ども凛のリハスタッフと訪問看護師、主治医である訪問診療医または病院の医師、ヘルパー、介護支援専門員(ケアマネージャー)、そしてご家族とが緊密な連携をとりながらご自宅での生活を支援していきます。

この利用者さん(以降、Sさんとします。)は急激な認知機能低下やせん妄があり、ご家族の介護負担の増大が見られました。

認知機能の低下する疾患で代表的なものにアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)があります。物忘れなどの記憶障害や時間の見当識障害が生じ、徐々に言語能力障害(言葉の認識、発語など)、遂行機能障害(計画して実行する能力)などの症状が現れてきます。症状や進行のスピードには個人差があり個々に異なります。

Sさんはリハビリ開始時には記憶障害、見当識障害と言語能力障害があり、リハビリの際に手足を一緒に動かしてもらうよう指示をするのですが、言語能力障害により指示の内容を理解することが困難でした。そのため筋力を鍛えるための運動、起き上がる動作や寝返りの動作などにおいて工夫が必要であり、ご本人の体による体性感覚を利用して反復し、簡単な言葉で動作の仕方を伝え、覚えてもらうようご家族にも指導させていただきました。

食べたばかりなのに「食事はまだか」と怒り出すこともありました。食事の際は覚醒が悪く時間を要するため、ご家族ですべて介助して口まで持っていってしまう場面は致し方ないことです。しかし、本人に食べる物を目で見てもらい、そこから自分で食べることにより、食べたという記憶が視覚から入力され、食事をしたことが記憶に残りやすい場面がありました。

その後覚醒が低下したり、落ち着きがなくなったりすることが多くなったため、薬を服用し目を閉じて寝ていることが多くなりました。そして本来持っている筋力が発揮できなくなり、外出も困難になりました。ご家族はスロープを使用して車椅子で外出ができるよう、玄関の外の外壁を撤去するなどの大掛かりな工事を決断されました。

Sさんの記憶については、自宅にいた状態でリハビリ中にSさんの昔の話を質問しても、なかなか思い出すことが困難でした。しかし車椅子で散歩を行なうと、Sさんの高校時代の話を回想法で再現することができました。実際に通学していたその場所に行き、そのときのお話をすることで高校時代の話やそれに付随した他の話も引き出すことができました。翌日以降も自宅内でいろいろなお話ができるようになり、目に見えて効果があったことに対しては、私自身もとても嬉しかったです。

その後、朝はなかなか覚醒が悪く起きられないことがあっても、リハビリ時の車椅子での散歩は楽しみにされ、いつも起きて着替えて待ってくれていました。近くの公園で紅葉を観ていると、自らその公園の歴史や地元の話もしてくれました。

最後まで “その人らしく” SさんとSさんのご家族の生活の支援を、私ども凛のリハビリ・訪問看護スタッフと主治医である訪問診療医、ヘルパー、介護支援専門員、そしてご家族がチームとなり連携を取ることで実現できたのではないかという一例でした。

訪問看護ステーション凛
理学療法士 南山 聡太郎

今年1年の振り返り

2017-12-01

お久しぶりです、事務長の大西です。
ここ最近のブログは、所長やスタッフにお願いしていましたので、久しぶりの登場となってしまいました。

さて、12月に入りました。今年ももう残すところあと1ヶ月です。この1年を振り返り、そして来年へ活かす準備の1ヶ月にしていきたいと思っています。

凛は2年目に入り、2回目の年末年始を迎えます。
年末年始の訪問スケジュールについては、29日(金)までは通常の訪問、30日(土)~1月3日(水)は、一部の利用者さまを除き、休日と同様の対応とさせていただきます。今、通常訪問時にスタッフがご都合を聞いていることと思いますので、ご確認をお願いいたします。

現在、スタッフ総勢11名となりました。
看護師2名、リハビリ2名が今年から仲間に加わりました。
スタッフが増えたからこそできるようになったこともあります。逆にスタッフが増えたからこそ、同じ気持ちとスキルで看護・リハビリを提供するというのは、大きなテーマ(課題)です。
日々、所長を先頭に、この課題に真っ向からぶつかり、試行錯誤しながらも前進しております。スキルの面だけで言えば、今年は外部研修に各スタッフが積極的に参加してくれました。そして振り返りの伝達講習で、他のスタッフへ伝えることで学びを深めています。小さな事業所ゆえに、外に出て新しい情報や技術を身に付けなければ、『井の中の蛙』のままになってしまいます。来年以降も既に予定しておりますが、引き続き研鑽に努めていきたいと思っております。

また、今年は本格的に看護学生の実習をお受けしてまいりました。
板橋中央看護専門学校の第1・第2両学科の実習生が相次いでいらっしゃいました。4日間という短い期間ですが、皆さん何かを吸収しようと一生懸命に勉強され、4日目のカンファレンスでは、当方の看護師・理学療法士の前で4日間の学びとケース検討を緊張しながらも頑張って発表していました。我々も学生さんの姿を見て、また指導することで気づくことも多々あったかと思います。とても良い経験をさせていただいております。学生の皆さん、年明けの国家試験に向けて年末年始も無いかと思いますが、ラストスパート頑張ってください!
また改めて、実習にご協力いただきました利用者の皆さま、ありがとうございました。

来年も今まで以上に利用者さんの『その人らしさ』を大切に、療養生活のサポートができればと思っています。ぜひ、患者さま・ご家族さま・連携事業所の皆さま、お気づきのことがございましたら、忌憚ないご意見・ご指導のほどを、宜しくお願い致します。

また、私たちの取り組みを見て、仲間に加わり、北区・板橋区・足立区・荒川区・豊島区地域の在宅医療・介護の一端を担いたいと思われる各職種の皆さま、ぜひお声がけください。

12月は何かと忙しい月です。利用者さま・ご家族さま、それを支える連携事業所の皆さまにおかれましても、くれぐれも体調管理にはご留意いただき、健やかに新しい年をお迎えいただけることを切にお祈りいたします。

訪問看護ステーション凛
事務長 大西 肇

Copyright(c) 2017 北区訪問看護ステーション連絡協議会 All Rights Reserved.